【書評】コミュニケーションは簡単にできる!『トヨタの会議は30分』山本大平
みなさん、「コミュニケーション」に悩まれた方は多いのではないでしょうか?
職場や取引先、学生時代であれば友達など人とのつながりを作る上では必須のスキルになりますよね
実際に就職活動で企業が求める能力の1位にもランキングされるほど重要であることが明確です
そんな重要な力であるコミュニケーションを巧みに使い、売上高日本市場ランキング堂々1位の企業を知っているでしょうか?
それが「トヨタ自動車」です!
トヨタがここまで大きな企業になるにはコミュニケーション術なしでは不可能でした
そんなトヨタ式コミュニケーション術が全て詰まった一冊がこちら!
『トヨタの会議は30分』
こんな方におすすめ
・無駄が嫌いな生産性の鬼の方
・良好な人間関係を築く方法が知りたい方
・トヨタ自動車ついて知りたい方
・社会人になって5年以内の若い方
目次
- 『トヨタの会議は30分』について
- ギガ速で成果を出すためのコミュニケーション能力とは
- 会議は30分!
- 1分でOKをもらえる資料の作り方
- 聞き手を迷子にさせないプレゼン
- あがり症対策
- ネガティブな相手への対処法
- 『トヨタの会議は30分』のまとめ
『トヨタの会議は30分』について
著者:山本 大平(やまもと だいへい)
出版社:すばる舎
出版年月日:2021年4月14日
ページ数:215p
著者の山本さんは京都大学大学院を卒業後、新卒でトヨタ自動車に入社しました
その後、まさかの全く異なった業種のTBSテレビへ転職され、主にTBSの看板番組にてプロモーション及びマーケティング戦略を数多く手掛け、さらにアクセンチュアでのマネージャー経験を経て、現在はマーケティング総合支援会社F6 Design株式会社を設立し、統計学を駆使したマーケティング方法をもとに活躍されています
経歴からかなり優秀な方であることが分かりますね
著書内では山本さん自らが実際にトヨタという組織で経験したコミュニケーション方法について書かれており、説得力のある内容となっています
当ブログでは、本書のポイントを厳選し、解説していきたいと思います
ギガ速で成果を出すためのコミュニケーション能力とは
本書の冒頭では、現在求められているコミュニケーション能力を「ギガ速で成果を出すためのコミュニケーション能力」と紹介しています
テクノロジーが凄まじい勢いで進化する現在、それに伴い世界も日々凄まじい速さで変化しています
近年ではコロナウイルス流行によるZOOMなどを活用したリモートワークが普及し始め、コミュニケーションにも大きな影響が見られました
そんな大きな変化に対応するには、悠長な時間はなく、ギガ速で報連相をして、スピーディーに意思決定をし、成果を出す必要があります
会議は30分!
トヨタでは、会議や打ち合わせは原則30分が決まりだそうです(他の日本の会社では、1時間を設定する場合が多い)
会議や打ち合わせの設定を1時間から30分に変更するだけで、年間の6分の1(約2ヶ月分)の労働時間を別の仕事に充てることができ、生産性の向上につながります
まさに生産性を追求したトヨタ方式ですね
今日の会議、議題はどうなってるんだ?
では、トヨタでは会議を30分で終えるためには何をしているのか、それについて説明していきます
まずは事前に関係者には会議で何を話し合うのか「議題(アジェンダ)」を周知する必要があると書かれていました
しかも、具体的な解像度の高い議題が求められるそうです
この事前共有ができていないと、担当者のところに参加者から「今日の会議、議題はどうなってるんだ?」とすごい量の矢の催促がくるらしいです
ここからトヨタでは事前共有が大切であり、会議を円滑に進めるためには必須条件であることがわかります
また、会議の終わり際に「次に何を話し合うか」も決め、次の会議では事前に参加者が情報を集めた状態で意見交換が始まるそうです
このサイクルを習慣化・仕組み化することで無駄なく、最速での意見交換を実現しています
多くの日本企業には「定例会議」が設定されていますが、トヨタにはそんなものありません
仮に関係者で話し合うことがあれば、その度に30分ほどの会議や打ち合わせを設定することになっているそうです
無駄な時間になる定例会議をわざわざ設定する必要がないということでしょう
これ以外にも本書では、ホワイトボードが議事録であることやホワイトボードのまとめ方、会議や打ち合わせ中はメモなしなど他の企業では見られない内容がまだまだ盛り沢山です
1分でOKをもらえる資料の作り方
職場では日常の業務を進めるに当たり、上司の承認が必要となる場面が多々あると思います
トップ企業のトヨタでは人の命を預かる会社ですのでなおさらです
ですが、やはりトップ企業、上司は忙しく、確認の間はなかなかもらえるものではないようです
そこでトヨタで徹底されているのが「1分でOKをもらえる資料の作り方」です
この作り方は口頭ベースでのコミュニケーションにも適しているので必見の内容です!
では、実際にどのように作っていくのか見ていきましょう
トヨタ式1分資料の作り方
①「何の話か」を書く
↓
②「どんなポイントについて判断してほしいか」を書く
↓
③「結論」を書く
↓
④「論拠」を列挙する
↓
⑤必要であれば「補足」を入れる
①「何の話か」を書く
結論から書くのではなく、「何の話か」から書くことが大切です
忙しい人にとっては結論よりも、どんな内容の話なのかを最初に知りたがります
なので、見てもらう内容を最優先に提示する必要があります
②「どんな内容について判断してほしいか」を書く
次はどんな内容について判断してほしいかを書くことです
時間のない人は何の判断をすべきなのかを速く知りたいので優先的に提示する必要があります
③「結論」を書く
①と②の後にようやく「結論」を書きます
ここでは自分がどう思ったか、どのような意見があるかを示す必要があります
④「論拠」を列挙する
③の結論を導いた根拠となる「論拠」について書きます
ここでのポイントはできるだけ3点の箇条書きにして、上司が理解しやすいようにまとめることです
⑤必要であれば「補足」を入れる
もし追加で上司に伝えることがあれば、「補足」として最後に箇条書きで書きます
その他、作る上でのポイントは
・これらの順番を必ず間違えないこと
・文字数をできるだけ減らすこと
・難しい専門用語は避けること
の3つです
聞き手を迷子にさせないプレゼン
会議や発表会ではプレゼンの機会が多いと思います
そんなとき、聞き手の反応はどうでしょうか
ひとりよがりで一方的に話してしまっているなんてことはないでしょうか
どうせ話すなら、相手にしっかりと理解してもらえるほうが言いですよね
ということでここからはトヨタ式プレゼン方法を説明していきます
トヨタ式プレゼン
①冒頭で何を話すか説明する
↓
②章立て通りに説明する
↓
③節目毎におさらいと不明点の確認をする
①冒頭で何を話すかを説明する
まず最初に、これから何の話をするかを伝えましょう
いまから話す内容について予告をすることで聞き手は準備ができ、安心感を抱くことができます
②章立て通りに説明する
聞き手が安心し、リラックスの状態になったら冒頭で提示した章立ての構成順に説明していきます
できるだけ、提示した順番は変えない方が聞き手のためでもあります
③節目毎におさらいと不明点の確認をする
章立ての節目時には、毎回、手短にそこまでの内容をおさらいすることを心がけましょう
「ここまでで不明点などはありませんか?」などと聞き手の理解に問題はないか確認することが大切です
④専門用語や聞き慣れない横文字を避ける
聞き手に専門的な知識がない方がいるのであれば、できるだけ平易な言葉を使いましょう
聞き手にとって耳慣れない意味が分からない言葉が出てきてしまうとそれ以降情報が入ってこなくなります
どうしても専門用語や横小文字を使わなければならない場合は、必ず注釈を入れるようにしましょう
以上、この4つのポイントを意識して取り組むことで聞き手は理解に苦しむことなく、よいプレゼントなると思います
あがり症対策
多くの方がプレゼン時などでいつも緊張してしまい、伝えたいことがうまく伝わらないという経験をしたことがあると思います
そんなあがり症を克服できる方法が本書に書かれていたのでこれは紹介せねばと思ったので、さっそく紹介していきたいと思います
克服するには目線と声質を安定させることだそうです
そのためにやるべきことが
・聞き手の目を見ず、顎を見ること(大勢がいる場合は聞き手の顔の向こう側にある壁や時計をみること)
・極力穏やかな、低い声で話すこと
の2つです
これを実践することで話の内容や聞き手の反応よりも、目線と声質の安定に意識が行くため、上がりづらくなるそうです
みなさん、1度は試されてみてはいかがでしょうか!
ネガティブな相手への対処法
人間生きていればなぜか気が合わない人、好きに慣れない人、ストレスの原因の人と言ったようにネガティブな相手と接する機会が必ずあると思います
僕自身も現在大学生でどうしようもなく嫌いで考えるだけで腹が立ってくるひとがいます
対処法を知らなかった僕はネガティブな相手にいつも真面目に向き合っていました
しかし、本書の対処法を意識することで少しずつうまく生きているかなと感じることができました
なので、ぜひみなさんにも知っていただきたいので紹介します
ネガティブな相手に困ったときは、まず30分怒りを寝かせてみる
↓
相手するまでもないな↙ ↘それでも相手してやる
相手をしない、無視する これまで通り相手する
この流れを一言でまとめると「アホを相手にしてる時間を別のことに使える」です
ネガティブな相手の攻撃的な言動を真正面から受け止めて対応してしまうためにかえって相手の攻撃的な言動を引き出してしまうそうです
みなさんもこの考え方をもとに実践してみてはいかがでしょうか
『トヨタの会議は30分』のまとめ
いかがだったでしょうか?
トヨタが日本のトップ企業である所以がよく理解できる1冊になっていました
また、コミュニケーションに悩みを抱えている方にとっては問題を解決してくれる重要な本になるかもしれません
僕が紹介した内容以外にもコミュニケーションを図る上でとてもためになる内容がまだまだありますので、ぜひ実際に手にとってみてください!
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