【書評】普通の人がチームを変える!『最強チームをつくる方法』ダニエル・コイル
あなたは日常生活の人間関係に悩まされていないでしょうか?
人は生きる上で必ず、家族や学校、職場などで人と関わり、集団(チーム)に属しています
これは切っても切り離せない関係です
そんな集団(チーム)が最悪でどうしようもなければつらい日々を過ごすだけで全くもって幸せな人生とは言えないでしょう
メンタリストのDaigoさんは人間の幸福に大きく関わるのが人間関係であると言っていました
それほどに人間関係というものは私たちにとって重要なもんなんです
でももし、そんな人間関係に悩まない最強の集団(チーム)を作ることができれば、幸せな生活を手に入れられるとは思いませんか?
そりゃー、手に入ればいいけど、私にはそんなカリスマ性もリーダーの器もないよと思っているそこのあなた!
安心してください!
カリスマ性やリーダーの器がなくても、日常でのちょっとしたさりげない行動でチームがつくれちゃうんです!
そんなチームをつくる方法が書かれた本が
『最強チームをつくる方法』
この本は2018年NYタイムズベストセラーにもなり、数々の著名人からも絶賛の声が続々の著作なんです!
そんな今すぐ読むべき1冊をご紹介します
こんな方におすすめ
- 人間関係で悩んでいる方
- リーダー、チームをまとめる立場の方
- 人との接し方を学びたい方
目次
『最強チームをつくる方法』について
著者:ダニエル・コイル
出版社:かんき出版
出版年月日:2018年12月3日
ページ数:403p
ダニエル・コイルさんはニューヨーク・タイムズ・ベストセラー作家という肩書きからいかついのがわかる作家です。
本書以外にも『才能を伸ばすシンプルな本』(サンマーク出版)やタイラー・ハミルトンさんとの共著『シークレット・レース:ツール・ド・フランスの知られざる内幕』(小学館)など多数の著作を世に出されています
また、2012年にはウィリアム・ヒル・スポーツ・ブック・オブ・ザ・イヤーという英国スポーツ文学賞を受賞されたりと輝かしい成績を残されています
当ブログでは最強チームを作る上で重要な「安心で安全な環境をつくる」「リーダーに求められること」を要約・解説していきます
安心で安全な環境をつくる
さっそく結論から言っちゃいます
最強チームをつくる方法それは
安心で安全な環境をつくるです
安心は、ただの気持ちの問題ではない。むしろ強固なチームの文化を築く基盤である。
えっ、これだけ!?と思われた方、これがなかなかに難しいのです
これには複雑なスキルやノウハウが必要になってきます
そもそも、安心で安全な環境とは「ここにいて安全だ」と思える気持ちです
そんな気持ちをチームに感じさせるには言葉を伝えるしぐさや態度が重要なのです
そこを本書では「帰属のシグナル」を送ることで、安心で安全な環境をつくる事ができると書かれています
帰属のシグナルとは、集団の中で「安全なつながり」を構築するような態度のことを指している。
具体的には、物理的な距離の近さやアイコンタクト、ボディーランゲージなどが該当します
この帰属シグナルを継続して送り、受け取ることで安心を感じ、チームは真の力を発揮するのです!
学生時代の合唱コンクールに向けた練習時間、非協力的なやついますよね~
「自分は順位とかどうでもいい、なんであんなはりきってんのかわからん」といってぶつぶつ文句いう妨害者のようなやつです
そういう妨害者がいるとなんというかやる気に満ちあふれていたクラスの雰囲気を暗くするんですよね
本書では安心で安全な環境をつくるためにはこういうチームの士気を下げるやつを選んではいけないとしています
例えば会社であるプロジェクトを進めるとしましょう
そんな時のメンバー選びは最も慎重に行わなければならないのです
もし選んでしまった場合、速やかに取り除かなければいけません
かなり残酷ですが、優秀なチームではそのようなやつを悪影響を及ぼしている、よし外そうとなるんです
いくらスキルや能力があろうとも安心で安全な環境をつくるうえでは取り除かなければいけません
でも、みなさん思ったはずです
具体的な環境づくりはわかったとでもこれって現実的じゃないと
そりゃー、妨害者を取り除けたらええよ、でもな現実はそんなうまくいかねーんだ!
ちょっと待ってください、そんな妨害者を取り除けないけど無効化する方法があるんです
先ほどの合唱コンクールの話に戻します
あいかわらず妨害者は文句ばかりいってクラスの士気を下げ続けてました
でもそんなとき、そいつに対して怒るんじゃなくて、「頑張って1位とれたら俺らすごくね?」「1位とったら学生生活最高の思い出なるで!」とまるで聖母のように接し、場を中和させるやつが現れたんです
すると徐々にクラスが一丸となって、本番では1位をとることができたんです
この話から誰か1人の中和させる言動がチームのパフォーマンス低下を妨げたことがわかるはずです
まさに彼は帰属シグナルをクラスに送り、安心で安全な環境を作っていたんですね
つまり、あなたが目指すのはカリスマ性のあるリーダーでも特別なスキルや能力のある人でもなく、この中和マンなのです
・目指すべきは中和マン
ここまでの話で帰属シグナルについて、具体的な送り方は理解したと、では続いてはその帰属シグナルを深めるやり方について説明していきます
深めるうえでのキーワード、それが「帰属意識」です
帰属意識とは「ある集団に属している、またはその集団の一員であるという意識や感覚」を意味しています
この帰属意識が高ければ高いほど人は所属する集団に愛着を抱き、より安心や安全を感じることができます
この帰属意識を高めるために必要なものは
・親密な関係の構築
・絆作り
・チームに愛を注ぐこと
の3つです
ここからはサッカーチーム、リヴァプールFC現監督ユルゲン・クロップの事例にそって話していきます
ユルゲン・クロップ監督を簡単に説明すると低迷していたリヴァプールの監督に就任し、巧みな人心掌握術でチームを欧州王者へと導き、悲願のリーグ優勝を果たした名監督です
親密な関係の構築
クロップははじめて会う選手と話す時、サッカーのことは後回しに「休暇はどうだ」「どういう性格をしているのか」といったかなり距離の近い個人的な話からはじめるそうです
この話し合いにより選手はサッカー選手と監督という関係以前に人間同士の関係を築こうとする態度に共感を覚えたそうです
絆作り
クロップはオフの期間を利用してチームをトレーニングを兼ねた旅行へ連れ出しました
チームの結束を重んじるクロップは、旅行中にチームは夕食なども共にし、絆を作り、深めたそうです
チームに愛を注ぎ込むこと
これまでクロップはチームにたくさんの愛を注ぎ込んできました
16年に敗れたときは、試合後のロッカールームで「これは終わりではない。始まりだ!」と鼓舞し、慰労パーティーで誰よりも先に踊り出しました
18年には惨敗したにもかかわらず、ロッカールームで選手たちを絶賛しました
ある選手は「僕らはみんな監督を父親のように愛し、時には恐れる。僕の人生において、サッカー以外の部分の多くのスペースを占めている。人として素晴らしいね。僕は彼のことを盲目的に信頼しているよ」とコメントしています
自分の家族のように選手のことを愛しているからこそ、選手から信頼されることがわかります
最後に帰属シグナルを送るためのもう一工夫について簡単に説明していきます
物理的距離によってコミュニケーションの量が変わる
学校で隣の席になった子と仲良くなりがちですよね
本書によると成功しているチームは物理的距離が近く、コミュニケーションの質が高いそうです
ただ物理的に近づくだけで、つながりへの欲求が一気に強くなる。
ちなみに距離は6m以内がベストらしいです
すべての人に発言権を与える
成功しているチームはメンバー全員が発言できるようなしくみをつくっています
たとえ、リーダーじゃなくても「○○さんの意見を聞いてみたいな」といろんな人の意見を聞くことが大切なんです
聞きすぎるほど聞く
成功しているチームは姿勢と表情を使い「話を聞いている」という合図が盛んに行われています
ここで同時に大切なのが意見を聞いているときは決して遮らないことです
多くのビジネス書でも聞く力の大切さは述べられています
みなさん、相手の話をしっかり聞きましょう
リーダーに求められること
ここからはリーダーになった場合に必要なことについて説明していきます
弱さを見せる
人間には自分の弱点を隠したい、完璧に見せたいという本能があります
しかし、リーダーであればあえて弱点も欠点もさらけ出すべきなのです
これは弱さの表れではない。むしろ会話の相手とより深いつながりをつくる手段だ。
さらけ出すことで「なにか自分にできることありますか?」と助けたいと思う人が現れやすい環境になるんです
権威になってはいけない
人間は権威に弱い生き物です
会社であればたとえ間違っていたとしても上司の言うことは絶対ですよね
しかし、その間違いのまま進み、良くない結果が出てしまうとなればまずい事態ですよね
なので誰もが自由に意見をいえるようにしなければいけません
リーダーはこの環境作りを意識する必要があります
共通の価値観や目的をはっきりさせ、くり返し伝える
「我が信条」のような誰でも覚えられる簡単な標語を作り、何度も何度もそれを繰り返し伝えることが大切です
また、同時に現在の状況と理想の未来を伝えることでメンバー自身が今いる場所を確認し、目指すべき場所をしることができます
これらにより、メンバーは納得し、共通の価値観や目的が浸透し、チームとして行動するようになります
『最強チームをつくる方法』のまとめ
いかがだったでしょうか?
多くの実例や研究をもとに作られ、とても参考になる知識や考え方が盛りだくさんの1冊でした
読み応えがあり、満足度抜群です
僕が紹介し切れなかった部分にも大切な考え方がまだまだありますので、ぜひ手にとってみてください
この書評が人間関係に悩んでいる方の少しでも役に立てればうれしいです
ではみなさん、明日からいや今すぐにでも中和マンになりましょう!
さいなら~